案件に携わっています、投太郎です。
今回は、国内ヘッジファンドの一つ「レオスキャピタル・ひふみ投信」について、いろいろ調べたことをまとめてみました。
最初に言っておきますが、この記事で「レオスキャピタル・ひふみ投信が投資先としておすすめ!」とか推す内容ではありません。
私自身はインデックス投資が最強だと思っている派ですし、このファンドを積極的に勧める気は全くありません。
あくまで「こういう情報がありますよ」っていう事実を並べているだけです。
正直、「レオスキャピタルなんて興味ない」って人にとっては、この記事を読むのは時間の無駄かもしれません笑
ただ、「レオスキャピタル・ひふみ投信ってどんなファンドなの?」とか、「運用者や運用方法、評判が気になる!」って人には役立つ内容になっていると思います。
まず、勘違いしがちな点ですが、レオスキャピタルはヘッジファンドではありません。
一般の人でも1万円から投資できる公募投資信託を運用・販売している会社です。
とはいえ、「ひふみ投信」はアクティブ運用をしているので、パッシブ(インデックス)ファンドとは少し違った特徴があります。
今回、それが気になって調べてみました。
この記事では、ひふみ投信の基本情報から運用方針、そして評判について、なるべく初心者にもわかりやすく解説していきます。
専門的な言葉を極力避けて、噛み砕いて説明しているので、気軽に読んでみてくださいね。
まずは、レオスキャピタルワークスの概要から見ていきましょう。
会社名 | レオス・キャピタルワークス株式会社 |
代表 | 藤野 英人 |
設立 | 2003年 |
会社住所 | 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内27F |
電話番号 | – |
ホームページ | rheos.jp |
運用規模(AUM) | 8500億円~ |
平均利回り | 5%前後 ※商品と計算時期によりけりです |
手数料 | 信託報酬0.502%~1.48% ~ ※商品によりけりです |
最低購入金額 | 1万円 |
ロックアップ | – |
レオスキャピタルは、資産運用業界のなかでも注目されている会社で、「ひふみ投信」をはじめ、さまざまな公募投資信託を提供しています。
次に、レオスキャピタルの沿革も紹介しておきます。
2003年 | レオス・キャピタルワークス設立 |
2008年 | ひふみ投信の運用開始 |
2012年 | ひふみプラスの運用開始 |
2019年 | ひふみワールドの運用開始 |
2020年 | SBIホールディングスの傘下になる |
2021年 | ひふみらいと、まるごとひふみの運用開始 |
2022年 | ひふみシリーズ 10万口座突破 |
設立当初は独立系の運用会社としてスタートしましたが、2021年にSBIホールディングス傘下に加わりました。
この際、「SBIに入ることで独自の運用哲学が薄れるのでは?」といった声も聞かれました。
ただ、現時点では大きな運用方針の変更はなく、これまで通りのスタイルを維持しているようです。
逆に、SBIの広大な顧客基盤を活かして、「ひふみシリーズ」の認知度と販路がさらに広がっています。
これは、レオスキャピタルにとってもSBIにとっても良い形でのM&Aと言えるでしょう!
2 レオスキャピタルの運営陣について
レオスキャピタルワークスの運営を支えるメンバーについてご紹介します。
まずは「ひふみ投信」の顔とも言えるファンドマネージャー、藤野英人氏の経歴を見ていきましょう。
1990年 | 早稲田大学法学部卒業→現 野村アセットマネジメント新卒入社 |
1996年 | JPモルガン・アセット入社 |
2000年 | ゴールドマン・サックス・アセット入社 |
2003年 | レオスキャピタル創業、代表就任 |
藤野氏はもともと裁判官や検察官を目指していたそうですが、司法試験には合格できなかったため、社会勉強のつもりで金融業界に飛び込んだそうです。
以下抜粋です。
僕はもともと、裁判官や検察官を志望していて、お金について語る人やお金を扱う人のことについては、自分とは縁遠い人たちだと思っていました。でも学生時代に司法試験に合格することができなかったので、2年くらいの社会勉強のつもりで、野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)に入社しました。
運用メンバーインタビュー
とはいえ、初めて入社した野村アセットマネジメントは、日本でもトップクラスの資産運用会社。
そこからJPモルガンやゴールドマン・サックスといった外資系に転職し、キャリアを積み上げてきた経歴を見ると、社会勉強の域を超えた才能が感じられますね。
また、藤野氏は書籍もいくつか出版しており、投資哲学や経験談を通して彼の人柄を知ることができます。
温かみのある語り口が印象的なので、興味があれば手に取ってみてください。
続いて、「ひふみワールド」のファンドマネージャーを務める湯浅光裕氏についてです。
藤野氏とは異なる経歴を持ち、国際的な視点で活躍してきた人物です。
1990年頃 | 日本の大学卒業後、ニューヨーク工科大学院卒業 |
1990年 | ロスチャイルド・アセット・マネジメント新卒入社 |
2000年 | ガードモア・アセットマネジメント入社 |
2003年 | レオスキャピタル創業、取締役就任 |
ロスチャイルドは世界的に有名な資産運用会社で、新卒で入社するのは非常に狭き門です。
その後も、国際的な運用会社でキャリアを積んでおり、国際視点を活かした運用が得意な印象です。
藤野氏と湯浅氏は、それぞれ異なるバックグラウンドを持つものの、2003年に力を合わせてレオスキャピタルを設立しました。
国内外で経験を積んだ運営陣がそろうことで、多角的な視点から運用方針を策定できるのがレオスキャピタルの大きな強みと言えます。
特に、「ひふみシリーズ」では国内外の成長企業を厳選して投資を行うスタイルが好評で、こうした運営陣のスキルと経験が大いに生かされていますね。
今後も二人のリーダーシップがどのように展開していくのか、注目です。
3 レオスキャピタルが販売している投資信託
次に、レオスキャピタルが販売している投資信託について見ていきましょう。
以下は「ひふみシリーズ」を中心とした商品ラインナップです。
黄色い下線の商品はレオスキャピタルが直接販売しているもので、それ以外は銀行や証券会社を通じて購入可能です。
また、買付手数料や信託報酬は商品によって異なります。
直近年間利回り(2022年1月6日~2023年1月6日基準)は以下の通りです。
商品名 | 直近年間利回り | 商品特徴 |
---|---|---|
ひふみ投信 | -11.7% | 国内株式中心で、ひふみシリーズの中で最もベーシックな商品。 |
ひふみワールド | -12.0% | 海外株式中心。成長する海外企業に投資できる商品。 |
ひふみらと | -11.1% | 国内外の債券や株式に分散投資。比較的安定した運用が特徴。 |
ひふみプラス | -11.5% | ひふみ投信と同じ運用方針だが、証券会社経由で購入可能。信託報酬が運用規模で変動。 |
ひふみ年金 | -11.5% | iDeCo専用。信託報酬が0.836%とシリーズ内で最安。 |
まるごとひふみ100 | -11.5% | 国内外の株式に幅広く投資。 |
ひふみワールドプラス | -12.0% | ひふみワールドと同じ運用方針で証券会社経由で購入可能。運用規模で信託報酬が変動。 |
ひふみワールド年金 | -8.9% | iDeCo専用で、ひふみワールドと同じ運用方針。 |
まるごとひふみ15 | -11.1% | 国内外の株式に幅広く投資。 |
まるごとひふみ50 | -11.3% | 国内外の株式に幅広く投資。 |
「ひふみシリーズ」の中で一つ選ぶなら、レオス直販で買付手数料が無料かつ藤野英人氏が直接運用に携わる「ひふみ投信」がわかりやすくておすすめです。
それでは、ひふみ投信のパフォーマンスに焦点を当ててじっくり見ていきたいと思います。
ひふみ投信では、「定性」と「定量」の2つの視点から投資銘柄を選定しています。
- 定量分析: 売上や利益などの数値データを重視。
- 定性分析: 経営者のビジョンや従業員の満足度、組織の雰囲気といったデータに表れない要素も考慮。
藤野氏の著書『スリッパの法則 プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方』でも触れられている通り、数字だけでなく「人」の要素を大切にする運用スタイルが特徴です。
これが他の投資信託と一線を画す部分ですね。
ひふみ投信は長期的には基準価格が上昇しているものの、2018年以降の成績が伸び悩んでいるのが現状です。
パフォーマンス不調の要因は諸説ありますが、私はひふみ投信のファンドサイズが大きくなりすぎたため大型株メインのポートフォリオにならざるを得なくなってしまったことが不調の要因かと思います。
上記グラフの灰色部分はひふみ投信の純資産総額、つまりファンドサイズと解釈して下さい。
2017-2018年からファンドサイズが急成長していますよね。
藤野氏はもともと中小型株式投資で実績のあった方です。
2017年以前は中小型株式の割合も大きく、そのパフォーマンスも赤線グラフの通り、とても高かったです。
ただ、ファンドサイズが大きくなると中小型株式をポートフォリオに組み込むことは難しい(中小型株式でリターンを得たとしても、時価総額が低いのでファンド全体へのインパクトが小さい)ため、現在のひふみ投信は大型株(プライム市場)の比率が80%以上を占めます。
引用元 : ひふみのあゆみ
また組み入れ銘柄数も270銘柄と とても多いものとなってしまっており、分散投資をしすぎていてもはやパッシブファンドと化してしまっています。
このことも、直近のパフォーマンス不調の一因かなと思います。
「ひふみ投信」は独自の運用スタイルと哲学が魅力的ですが、ファンド規模の拡大が原因で中小型株への投資が難しくなり、直近のパフォーマンスが不調な状態です。
長期的な視点では信頼できるファンドですが、アクティブ運用のパフォーマンスを求める人にとっては物足りない部分もあるかもしれません。
4 レオスキャピタル ネット上の口コミ
「ひふみ投信」の口コミをいろいろ調べてみましたが、全体的に好意的な意見が多い印象です。
大きな批判的な口コミはほとんど見当たりませんでした。
実際にどんな口コミがあるのか、いくつかピックアップして紹介していきます。
5 レオスキャピタル メリットデメリット
最後に、このファンドのメリットとデメリットをざっくりまとめてみました。
もし投資を検討する場合は、これらのポイントを踏まえて、自分の投資スタイルや資金状況と合うかどうかを慎重に判断してください。
メリット
- しっかりとした投資哲学があり、アクティブ投資信託の中では人気も知名度No.1だと思います
デメリット
- ファンドサイズの増大が要因なのか、直近のパフォーマンスはあまり良くない。直近のパフォーマンスだけを見るとインデックスファンドの方が良い
6 今回のまとめ
今回は、レオスキャピタルとその主力商品である「ひふみ投信」の評判について、いろいろとまとめてみました。
ひふみ投信は、理念がしっかりしていて独自の運用哲学を持った素晴らしいアクティブファンドだと思います。
ただ、正直なところ、直近のパフォーマンスが芳しくないのも事実です。
そのため、たとえば1000万円単位の大きな資金を一度に預けるというのは、現時点では控えた方が無難かなと感じます。
個人的には、インデックス投資のような「手数料が安くて安定している」選択肢の方が、多くの人にとって理にかなっているように思います。
というのも、投資の名著『敗者のゲーム』にも書かれているように、プロの投資家ですら市場に勝つのは本当に難しいのが現実なんですよね。
100年前、株取引の90%は一般の人たちによるものだった。
こうした状況では、プロの投資家は早く情報を入手できるので有利と考えられ、インデックス投資よりよい結果を残すこともできた。
しかし時がたつにつれて、ほとんどの人が投資信託や株価指数連動型上場投信に投資するようになり、現在で90%以上の取引が、プロの機関投資家によって行われるようになった。
そうなると、どんなに敏腕のプロも市場に勝っことはとても難しい。
(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)
なので、正直なところ、特別な理由や強い思い入れがない限り、ヘッジファンドに投資する必要はないんじゃないかな、と個人的には思います。
…とは言いつつ、実は僕自身はBMキャピタルというヘッジファンドに投資しているんですけどね笑
なんでかというと、これまでいろいろなヘッジファンドを調べてきた中で、BMキャピタルの投資手法は理論的にも納得できる部分が多いと感じたからです。
それは、株式投資の王道とも言える「バリュー投資」を、とにかく愚直に追求している姿勢にあります。
さらに、運営陣の経験や考え方、過去の運用実績を見ても「これなら納得できる」と思えたんですよね。
特にすごいなと思ったのが、市場が大荒れしているときでもしっかりプラスを出している点です。
こういう局面で結果を残せるのは本当に魅力的です。
まあ、インデックス投資で十分だと思ってもいますし、BMキャピタルを選んだのも、たまたま見つけただけですし、誰にでもオススメするわけじゃないです。
ただ、もしBMキャピタルに興味がある人がいたら、詳しくまとめた記事もあるので、良ければそっちもチェックしてみてください。
【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみた