ベイビューアセットマネジメントの評判について【バランスの良い和製ヘッジファンド】

こんにちは、某法律事務所にて日々投資詐欺案件に携わっています、投太郎です。

今回は、国内ヘッジファンドの一つ「ベイビューアセットマネジメント」について、いろいろ調べたことをまとめてみました。

最初に言っておきますが、この記事で「ベイビューアセットマネジメントが投資先としておすすめ!」とか推す内容ではありません。

私自身はインデックス投資が最強だと思っている派ですし、このファンドを積極的に勧める気は全くありません。

あくまで「こういう情報がありますよ」っていう事実を並べているだけです。

投太郎
投太郎

興味がなかったら時間の無駄になっちゃうかもしれないので、読まないほうがいいかも笑

ただ、「ベイビューアセットマネジメントってどんなファンドなの?」とか、「運用者や運用方法、評判が気になる!」って人には役立つ内容になっていると思います。

この記事では、ファンドの基本情報から、投資手法の分析まで、初心者でもわかりやすく解説していきます。

専門的な言葉を極力避けて、噛み砕いて説明しているので、気軽に読んでみてくださいね。

まずは、ベイビューアセットマネジメントの概要から見ていきましょう。

会社名ベイビュー・ アセット・マネジメント株式会社
代表八木 健
設立1998年
会社住所東京都千代田区一番町29-1 番町ハウス
電話番号
ホームページbayview.co.jp
運用規模(AUM)3800億円~ ※公募商品と私募商品全てを含んだ運用額の合計
平均利回り10%前後 商品によりけりです
手数料信託報酬2% 成功報酬20% 申込報酬3%前後
最低購入金額数千万円~
ロックアップ
ベイビューアセットマネジメントの概要

ベイビューアセットマネジメントについて一言で表すと『商品ラインナップが幅広いバランスの取れた和製ヘッジファンド』です。

ベイビューアセットマネジメントは私募のヘッジファンドだけでなく、公募投資信託も扱っています。

公募投資信託については、誰でも1万円から購入可能な商品を提供していますが、今回は絶対収益を目指す私募ヘッジファンドに焦点を当てて解説します。

公式サイトによると、同社は5種類のヘッジファンドを運用しているとのことです。

以下に、ベイビューが運用する代表的なヘッジファンドの概要をまとめました。

ファンド名ファンド概要
厳選日本中小型株式ファンド岡橋功樹チームが運用。日本の中小型企業15~20銘柄に集中投資。業界トップクラスのパフォーマンスを誇るが現在は原則募集停止中。
ニュー・アルフェックス ロングショートファンド
⬆️今回取り上げるのはこのヘッジファンドです
中小型株をロング(買い)し、大型株をショート(売り)する戦略。柔軟な運用で、シャープレシオ1.11を達成した実績あり。
Bayview 日本株ロングショートファンド谷川崇人チームが運用。大型~小型株までファンダメンタルズと市場潮流を見極めた戦略で、リスクを抑えた運用が特徴。
国内アクティブ・アセット・アロケーションファンド独自のクオンツモデルを活用。日本の債券先物や株価指数先物に投資し、安定的なリターンを追求。
グローバル・バランスファンド日米欧の債券先物や株価指数先物に投資するバランス型ファンド。市場環境に左右されない運用を目指す。

今回は、ベイビューアセットマネジメントが取り扱っているヘッジファンド『ニュー・アルファックス ロングショートファンド』に情報を絞ってお伝えしたいと思います。

こちらのファンドは、日本中小型株ロングショートという戦略を取ってます。

この戦略では、市場環境の変動に柔軟に対応しながら、安定したリターンを目指します。

また、運用を担当する岡橋功樹チームは、過去8年の運用実績でシャープレシオ1.11を記録しており、リスクを抑えつつ効率的な運用を行っている点が注目されています。

2 ベイビューアセットマネジメントの運営陣について

ベイビューアセットマネジメントの運営を支えるメンバーについてご紹介します。

まずは代表を務める八木健氏の経歴を見ていきましょう。

代表 八木健氏

1984年一橋大学商学部卒業→野村證券新卒入社
1989年ペンシルバニア大学でMBA取得
1998年ベイビューアセットマネジメントを設立
八木健氏の経歴

八木氏は新卒で入社した野村證券で、主に機関投資家向けの金融商品の開発業務に携わっていました。

野村證券は当時から日本を代表する証券会社で、優秀な人材が数多く集まっていたと言われています。

その後、八木氏はアメリカのペンシルバニア大学ウォートンスクールでMBAを取得。

ウォートンスクールは世界のトップMBAスクール「M7」の一角を占める名門で、ここで学んだ経験が後のキャリアに大きな影響を与えたのではないかと思われます。

MBA取得から9年後、1998年にベイビューアセットマネジメントを設立しました。

以来、同社を日本を代表するヘッジファンド運用会社へと成長させています。

次に、ベイビューアセットマネジメントの主力ファンドの一つ「ニュー・アルファックス ロングショートファンド」の運用を担当する岡橋功樹氏についてご紹介します。

ニュー・アルフェックス ロングショートファンドの運用担当 岡橋氏

1995年慶應義塾大学商学部卒業→住友商事新卒入社
2001年ワイズグループ入社
2005年アルフェックス・インベストメンツに入社
2010年ベイビューアセットマネジメント入社
2014年ニュー・アルフェックス ロングショートファンド ファンドマネージャーに就任
岡橋功樹氏の経歴

岡橋氏は、総合商社の住友商事でキャリアをスタートし、その後財務系キャリアを経てファンドマネージャーの道へ進んだという、やや異色の経歴を持っています。

ただ、総合商社出身ということで、国内外のビジネスに精通しており、それが運用に活かされている印象です。

また、ファンド運用成績も安定しており、長年にわたり高い利回りを維持しています。

こうした実績を持つことからも、非常に優秀な運用者であることが伺えます。

ベイビューアセットマネジメントは、代表の八木氏をはじめ、経歴もスキルも一流の運営陣によって支えられています。

3 ベイビューアセットマネジメントの投資手法

ベイビューアセットマネジメントが運用するヘッジファンド「ニュー・アルファックス ロングショートファンド」の投資手法は、日本中小型株式ロングショート戦略を採用しています。

この戦略について、もう少し詳しく見ていきましょう。

ヘッジファンドの具体的な戦略 ロング・ショート戦略

まず、「ロング(Long)」とは、株を買ってその価値が上がることを期待し、しばらく保有する方法のことです。

たとえば、成長が見込める企業の株を購入し、値上がりを待つのが基本的なスタイルです。

これは、多くの人がイメージする一般的な株式投資のやり方ですね。

(引用:SBI証券ホームページ)

一方、「ショート(Short)」は少し特殊な方法で、株を借りて売却し、後からその株を安く買い戻して返すことで利益を得る手法です。

たとえば、株価が下がりそうな企業の株を借りて高値で売り、その後株価が下がったタイミングで安く買い戻すことで差額を利益にします。

これは、株価が下落することを見越した「逆張り」のスタイルと言えます。

(引用:SBI証券ホームページ)

このロングとショートを組み合わせたものが「ロング・ショート戦略」です。

具体的には、値上がりが期待できる企業の株をロング(買い)、一方で値下がりが予想される企業の株をショート(空売り)するという形で運用します。

この戦略のメリットは、市場全体が上昇しているときでも下降しているときでも、個別銘柄の値動きの差を利用して利益を得られる点です。

たとえば、成長中のA社の株を買い(ロング)、業績が悪化しているB社の株を空売り(ショート)することで、どちらか一方が損失を出してももう一方の利益でカバーできる仕組みです。

つまり、ロング・ショート戦略は、市場全体の動向に左右されにくく、リスクを抑えながら安定したリターンを狙うことができる方法ということですね。

ロング・ショート戦略について、実際の運用をイメージしながら説明してみましょう。

以下に具体例を挙げてみますね。

ロングショート戦略について考えてみよう

分析フェーズ

ヘッジファンド投太郎は、A社の株が現在の株価よりも過小評価されていると分析しました。

この企業は価値の高い事業を行っており、今後、株価が本来の価値に近づいて上昇することが期待できます。

こうした理由から、投太郎はA社の株を買う、つまり「ロングポジション」を取ることを決めました。

 

一方で、日本全体の経済は下落基調にあるとも分析しています。

仮にA社の株価が正当な評価を受けて上がったとしても、日本株全体が大幅に下がれば、その影響でA社の株価も十分な利益を上げられない可能性があります。

 

そこで、リスクを減らすために、投太郎は日本株全体が下がった場合でも利益を得られるよう「ショートポジション」を取る戦略を立てました。

具体的には、過大評価されていると考えたB社の株を空売りすることで、下落リスクをヘッジするのです。

 

結果

結果をパターン別に考えてみましょう。

①日本株全体が下落した場合

A社について

A社はもともと割安な株です。

そのため、日本株全体が下落しても、大幅に下がる可能性は低いと考えられます。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が下落した場合、大きく値を下げることが予想されます。

ショートポジションを取ることで、ここで大きな利益が得られるでしょう。

 

結果として、ロングでの損失よりもショートでの利益が上回る可能性が高いす。

 

②日本株全体が何も変わらなかった場合

A社について

日本株全体が変わらなかった場合、A社の株価が正当な評価を受ければ上昇する可能性があります。

そのため、ロングで利益を得ることができます。。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が動かなくても適正な評価に近づくことで株価が下がり、ショートでも利益を得られるでしょう。

 

結果として、ロングとショートの両方で利益を得られる可能性が高いです。

 

③日本株全体が上昇した場合

A社について

日本株全体が上昇した場合、A社はもともと割安な株なので、さらに正当な評価を受けることで大幅な利益が期待できます。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が上昇しても、それほど大きく値を上げることはないと考えられます。

そのため、ショートポジションによる損失も小さく抑えられるでしょう。

 

結果として、ロングでの利益がショートでの損失を上回る可能性が高いです。

このように、ロング・ショート戦略は、リスクをヘッジしながら効率よく利益を追求できる方法として、ヘッジファンドで広く活用されています。

ニュー・アルファックス ロングショートファンドは、平均利回り10%前後と運用成績が安定しており、長期的に見ても高い実績を誇ります。

ただし、このファンドは最低投資額が数千万円からと設定されており、個人投資家にとっては参入のハードルが高い点には注意が必要です。

こうした点からも、主なターゲットは富裕層や機関投資家に絞られていると言えます。

4 大量保有報告書の調査

株式市場では、上場企業の株式を5%以上保有する場合、5営業日以内に「大量保有報告書」を提出する義務があります。

これは、ヘッジファンドであるベイビューアセットマネジメントにも適用されるルールです。

この報告書をチェックすると、ベイビューが過去にどの銘柄を組み入れていたかがわかります。

また、報告書から推定取得株価もある程度把握できるため、自分で株式投資をしている方にとっては参考になる情報源です。

ただし、注意点として、以下の銘柄が必ずしも「ニュー・アルファックス ロングショートファンド」に含まれているわけではない点をご承知おきください。

ベイビューが運用している他のファンドの一部である可能性もあります。

以下にベイビューアセットマネジメントの組み入れ銘柄一覧をまとめておきます。

企業名推定取得株価書類開示日
原田工業(6904)837円2017年11月16日
リネットジャパングループ(3556)870円2018年1月8日
はてな(3930)4585円2019年5月22日
総医研ホールディングス(2385)428円2020年5月22日
野村マイクロ・サイエンス(6254)1629円2020年5月22日
シェアリングテクノロジー(3989)429円2020年10月07日
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス(6699)2520円2021年3月5日
岡本工作機械製作所(6125)4950円2021年8月20日
アドテック プラズマ テクノロジー(6668)1315円2022年1月21日
トレンダーズ(6069)1016円2022年4月22日
eWeLL(5038)3625円2022年10月7日
ベイビューアセットマネジメントの組み入れ銘柄
投太郎
投太郎

この中には、意外性のある銘柄や注目企業が含まれていますね。

たとえば、ブログサービスで有名な「はてな(3930)」も保有銘柄に含まれていました(取得から半年後に売却済み)。

また、中小型株を中心に、成長性のある銘柄を選んでいることがうかがえます。

5 ベイビューアセットマネジメントの口コミ

ベイビューアセットマネジメントの口コミをいろいろ調べてみましたが、全体的に好意的な意見が多い印象です。

大きな批判的な口コミはほとんど見当たりませんでした。

実際にどんな口コミがあるのか、いくつかピックアップして紹介していきます。

ベイビューアセットマネジメントってなつかしいなぁ...
3556(リネットJ)ベイビューアセットマネジメントも大量保有をしており、大株主名簿にはあの『ゴールドマンサックス』も第3位で5%以上保有しております(^^)v続々と機関が入ってくる銘柄は増資も楽勝!! 3627(ネオス)のようにどんどん行使して終わって株価上昇が期待できます!! 1091円以上で行使です!
はてな、ベイビューアセットマネジメント が大量保有報告、5.02%取得

6 ベイビューアセットマネジメントのメリットとデメリット

最後に、このファンドのメリットとデメリットをざっくりまとめてみました。

もし投資を検討する場合は、これらのポイントを踏まえて、自分の投資スタイルや資金状況と合うかどうかを慎重に判断してください。

メリット

  • 国内ヘッジファンドらしい安定運用&年間利回り10%〜の恩恵をうけることができる

デメリット

  • 数千万円単位からではないと購入ができない
  • 個人の購入体験記がネットにほぼ落ちていない。(怪しいという意味ではなく、最低購入金額やファンド社員とのアポの取り方が不明)

2 今回のまとめ

今回はベイビューアセットマネジメントの評判についてまとめてみました。

ベイビューアセットマネジメントは国内でも有数のヘッジファンドですが、個人が購入しようと思っても数千万円程度の最低購入金額が必要である可能性が高いです。

正直、これだけハードルが高いと、個人投資家にとっては手が届きにくいですよね。

それにしても、こういう高いハードルを設けたファンドを見るたびに、どうやって資金を集めているんだろうと考えてしまいます。

やっぱりメインターゲットは機関投資家とか、超富裕層なんでしょうね。

それでも、正直なところ、そういった人たちもインデックス投資みたいな「手数料が安くて安定している」選択肢を選ぶほうが理にかなっている気がします。

だって、投資の名著『敗者のゲーム』にも書かれているように、プロの投資家ですら市場に勝つのは本当に難しいのが現実なんですよね。

100年前、株取引の90%は一般の人たちによるものだった。

こうした状況では、プロの投資家は早く情報を入手できるので有利と考えられ、インデックス投資よりよい結果を残すこともできた。

しかし時がたつにつれて、ほとんどの人が投資信託や株価指数連動型上場投信に投資するようになり、現在で90%以上の取引が、プロの機関投資家によって行われるようになった。

そうなると、どんなに敏腕のプロも市場に勝っことはとても難しい

(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)

なので、正直なところ、特別な理由や強い思い入れがない限り、ヘッジファンドに投資する必要はないんじゃないかな、と個人的には思います。

投太郎
投太郎

…とは言いつつ、実は僕自身はBMキャピタルというヘッジファンドに投資しているんですけどね笑

なんでかというと、これまでいろいろなヘッジファンドを調べてきた中で、BMキャピタルの投資手法は理論的にも納得できる部分が多いと感じたからです。

それは、株式投資の王道とも言える「バリュー投資」を、とにかく愚直に追求している姿勢にあります。

さらに、運営陣の経験や考え方、過去の運用実績を見ても「これなら納得できる」と思えたんですよね。

特にすごいなと思ったのが、市場が大荒れしているときでもしっかりプラスを出している点です。

こういう局面で結果を残せるのは本当に魅力的です。

まあ、インデックス投資で十分だと思ってもいますし、BMキャピタルを選んだのも、たまたま見つけただけですし、誰にでもオススメするわけじゃないです。

ただ、もしBMキャピタルに興味がある人がいたら、詳しくまとめた記事もあるので、良ければそっちもチェックしてみてください。

【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみた