暁翔キャピタルの評判について【2年で運用資産を10倍にしたヘッジファンド 】


こんにちは、某法律事務所にて日々投資詐欺案件に携わっています、投太郎です。

今回は、国内ヘッジファンドの一つ「暁翔キャピタル」について、いろいろ調べたことをまとめてみました。

最初に言っておきますが、この記事で「暁翔キャピタルが投資先としておすすめ!」とか推す内容ではありません。

私自身はインデックス投資が最強だと思っている派ですし、このファンドを積極的に勧める気は全くありません。

あくまで「こういう情報がありますよ」っていう事実を並べているだけです。

投太郎
投太郎

興味がなかったら時間の無駄になっちゃうかもしれないので、読まないほうがいいかも笑

ただ、「武士道アセットマネジメントってどんなファンドなの?」とか、「運用者や運用方法、評判が気になる!」って人には役立つ内容になっていると思います。

この記事では、ファンドの基本情報から、投資手法の分析まで、初心者でもわかりやすく解説していきます。

専門的な言葉を極力避けて、噛み砕いて説明しているので、気軽に読んでみてくださいね。

まずは、暁翔キャピタルの概要から見ていきましょう。

会社名暁翔キャピタル株式会社
代表山口 功一郎
設立2009年
会社住所東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング8階
電話番号
ホームページakitocapital.com
運用規模200億円~ ※不確かな情報です(2014年においては1200億円、2022年において200億円という情報がありどちらが正しいか不明)
平均利回り20%~ ※2011年時点の不確かな情報です
手数料
ロックアップ
暁翔キャピタルの概要

暁翔キャピタルは、「2年で運用資産を10倍にした」として注目された国内ヘッジファンドです。

暁翔キャピタルは2009年に14億円で運用スタートしますが、2年後の2011年には運用資産がなんと10倍の140億円となっていました。

UBS証券などを経て、シンガポールに本拠を置くヘッジファンド「アキト・ファンド」への投資助言業務を行なう暁翔(あきと)キャピタルのトップ、山口功一郎さん。アキト・ファンドは2009年7月の運用開始以来、年率20%近いハイ・パフォーマンスを叩き出し、運用資産は2年足らずで14億円から141億円まで急増した(現在は資産急増のため募集をいったん停止中)。

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設立当初、暁翔キャピタルは主に割安な日本の小型株をターゲットに投資していました。

現在でも同様の戦略を取っているかは不明ですが、当時のパフォーマンスは特筆すべきものでした。

暁翔キャピタルは、設立当初の成功を経て、カナダの年金基金からの受託を受けるなど、より本格的なファンドへと進化しました。

この受託により、運用資産は一時1000億円を超え、国内外で注目される存在となりました。

日本のヘッジファンドとして業界紙にたまに取り上げられるアキトキャピタルのアセットは、
現在1200億ほどと聞いている。立ち上げ当時の手法は、ロングショートを中心にしながらも、イベントトリブンやグローバルマクロ、またはオプションなどだった。

運用成績は定かではないが、相場環境も手伝い彼らのファンドは2012年には10倍近くアセットが増え200億近くになった。その後、カナダの年金基金からの受託があり1000億を超え本格的なファンドに成長した。現在の手法はどうかといえば、選ぶ銘柄は変わりロングがメインとなった。

外資系ファンドマネージャーの独り言

また、代表兼ファンドマネジャーの山口功一郎氏は馬主であることでも有名です。

2 暁翔キャピタルの代表

暁翔キャピタルの代表を務める山口功一郎氏は、外資系金融企業であるUBS証券出身の方です。

同社出身者には、例えばSHOWROOMの前田裕二社長もいますが、彼は営業担当としてのキャリアを歩んでいます。

一方、山口氏は投資業務を経て独自のヘッジファンドを設立した異色の存在です。

以下に山口功一郎氏の経歴をまとめました。

2003年東京大学経済学部卒業→UBS証券に新卒入社
2006年ホライゾン・アセット・インターナショナル株式会社 入社
2009年暁翔キャピタルを設立。その手腕で2年で運用資産を10倍にする
山口功一郎氏の経歴

山口氏はTwitterアカウントを開設しています。

ただし、投稿内容の多くは競馬やバスケットボールに関する話題で、投資に関する参考情報はほぼありません

投資家としての人物像を深く知りたい場合には、直接的な情報源としては期待しすぎない方が良さそうです。

3 暁翔キャピタルの投資手法

暁翔キャピタルが採用している投資手法は、小型株式を中心としたロングショート戦略です。

この手法は、企業の詳細な調査(ボトムアップリサーチ)に基づき、株式を買い(ロング)と売り(ショート)の両方を活用することで、どのような相場環境でも絶対リターンを目指すことを特徴としています。

この戦略について、少し掘り下げてお話ししてみたいと思います。

ヘッジファンドの具体的な戦略 ロング・ショート戦略

まず、「ロング(Long)」とは、株を買ってその価値が上がることを期待し、しばらく保有する方法のことです。

たとえば、成長が見込める企業の株を購入し、値上がりを待つのが基本的なスタイルです。

これは、多くの人がイメージする一般的な株式投資のやり方ですね。

(引用:SBI証券ホームページ)

一方、「ショート(Short)」は少し特殊な方法で、株を借りて売却し、後からその株を安く買い戻して返すことで利益を得る手法です。

たとえば、株価が下がりそうな企業の株を借りて高値で売り、その後株価が下がったタイミングで安く買い戻すことで差額を利益にします。

これは、株価が下落することを見越した「逆張り」のスタイルと言えます。

(引用:SBI証券ホームページ)

このロングとショートを組み合わせたものが「ロング・ショート戦略」です。

具体的には、値上がりが期待できる企業の株をロング(買い)、一方で値下がりが予想される企業の株をショート(空売り)するという形で運用します。

この戦略のメリットは、市場全体が上昇しているときでも下降しているときでも、個別銘柄の値動きの差を利用して利益を得られる点です。

たとえば、成長中のA社の株を買い(ロング)、業績が悪化しているB社の株を空売り(ショート)することで、どちらか一方が損失を出してももう一方の利益でカバーできる仕組みです。

つまり、ロング・ショート戦略は、市場全体の動向に左右されにくく、リスクを抑えながら安定したリターンを狙うことができる方法ということですね。

ロング・ショート戦略について、実際の運用をイメージしながら説明してみましょう。

以下に具体例を挙げてみますね。

ロングショート戦略について考えてみよう

分析フェーズ

ヘッジファンド投太郎は、A社の株が現在の株価よりも過小評価されていると分析しました。

この企業は価値の高い事業を行っており、今後、株価が本来の価値に近づいて上昇することが期待できます。

こうした理由から、投太郎はA社の株を買う、つまり「ロングポジション」を取ることを決めました。

 

一方で、日本全体の経済は下落基調にあるとも分析しています。

仮にA社の株価が正当な評価を受けて上がったとしても、日本株全体が大幅に下がれば、その影響でA社の株価も十分な利益を上げられない可能性があります。

 

そこで、リスクを減らすために、投太郎は日本株全体が下がった場合でも利益を得られるよう「ショートポジション」を取る戦略を立てました。

具体的には、過大評価されていると考えたB社の株を空売りすることで、下落リスクをヘッジするのです。

 

結果

結果をパターン別に考えてみましょう。

①日本株全体が下落した場合

A社について

A社はもともと割安な株です。

そのため、日本株全体が下落しても、大幅に下がる可能性は低いと考えられます。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が下落した場合、大きく値を下げることが予想されます。

ショートポジションを取ることで、ここで大きな利益が得られるでしょう。

 

結果として、ロングでの損失よりもショートでの利益が上回る可能性が高いす。

 

②日本株全体が何も変わらなかった場合

A社について

日本株全体が変わらなかった場合、A社の株価が正当な評価を受ければ上昇する可能性があります。

そのため、ロングで利益を得ることができます。。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が動かなくても適正な評価に近づくことで株価が下がり、ショートでも利益を得られるでしょう。

 

結果として、ロングとショートの両方で利益を得られる可能性が高いです。

 

③日本株全体が上昇した場合

A社について

日本株全体が上昇した場合、A社はもともと割安な株なので、さらに正当な評価を受けることで大幅な利益が期待できます。

 

B社について

B社は過大評価されている株なので、日本株全体が上昇しても、それほど大きく値を上げることはないと考えられます。

そのため、ショートポジションによる損失も小さく抑えられるでしょう。

 

結果として、ロングでの利益がショートでの損失を上回る可能性が高いです。

このように、ロング・ショート戦略は、リスクをヘッジしながら効率よく利益を追求できる方法として、ヘッジファンドで広く活用されています。

アキト・ファンドの運用スタイルについて、山口氏は以下のように説明しています。

そんな山口さんが投資助言するアキト・ファンドのスタイルは、「ロング・ショート戦略」と呼ばれるもの。買いと売りを両建てすることで、どんな相場であっても絶対リターンを狙う。

では、読者が一番知りたい具体的な運用手法はいったいどのようなものなのか? アキト・ファンドが売買している株はざっと200銘柄。

「ロング・ショート戦略にはいろいろな手法がありますが、たとえばソニーを買って東京ガスを売るより、同セクター内のソニーとパナソニックなど、同じような値動きをする株の微妙な格差を狙うほうが、リスクを抑えられます。銘柄の入れ替えは3日とか1週間とか非常に短期間のこともあれば、運用開始以来、ずっと長期保有している株もある。カラ売りできない新興市場の株も投資対象です。そういった場合はTOPIX(東証株価指数)の先物を売るなどして、買いと売りの絶対総額を同じにするのが基本です」

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アキト・ファンドが取り扱う銘柄数は約200に及びます。

こうした分散投資により、個別銘柄のリスクを抑えつつ、全体的なポートフォリオの安定性を高める戦略が採られています。

また、売りと買いのバランスを取ることで、相場全体の影響を受けにくくしているのが大きな特徴です。

4 大量保有報告書の調査

上場企業の株式を5%以上保有すると、法律で「大量保有報告書」を5営業日以内に提出しなければなりません。

これは、暁翔キャピタルのようなヘッジファンドでも当然適用されるルールです。

そこで、暁翔キャピタルが提出した大量保有報告書をもとに、過去にどんな銘柄を組み入れていたのかを調べてみようと思いました。

…が、実際に「暁翔キャピタル 大量保有報告書」などとGoogleで検索しても、それらしい情報は全く見つかりませんでした。

おそらく、株式の売買を行う際に別法人を設立し、その法人名義で取引をしているのではないかと推測しています。

5 暁翔キャピタルの口コミ

暁翔キャピタルの口コミをいろいろ調べてみましたが、全体的に好意的な意見が多い印象です。

大きな批判的な口コミはほとんど見当たりませんでした。

実際にどんな口コミがあるのか、いくつかピックアップして紹介していきます。

スゴい人たちがたくさんいる…

アキトキャピタル、そして山口さんは本当に優秀な人だとGS時代よく聞かされていた。

強い和製ヘッジファンドに学べ 逆風下でも好業績: 日本経済新聞
3頭の馬主、アルクトスの山口氏(ヘッジファンドである、暁翔キャピタルの社長さん)だったんかよw とりあえずビターグラッセはPOG指名行きます。芝ダどちらでもいけそう。 アルクトスはウマ娘化不可避かなーw
日経新聞朝刊。 全てが下落する年前半と変わって、個別株の選別が効く相場になってきたと、武士道ファンドの杉山氏のコメントがあった。 一般の投資家にはあまり知られていない和製ヘッジファンドの代表。暁翔キャピタルでも活躍した人物。 こういう人物がもっとフォーカスされたら面白いのに。

6 暁翔キャピタルのメリットとデメリット

最後に、このファンドのメリットとデメリットをざっくりまとめてみました。

もし投資を検討する場合は、これらのポイントを踏まえて、自分の投資スタイルや資金状況と合うかどうかを慎重に判断してください。

メリット

  • 運用手腕が素晴らしい山口氏に資産運用をお任せすることができる

デメリット

  • 年金基金のような法人か超富裕層からの資金しか受け付けていないように思えるので、おそらく個人は購入が難しい。(もしもできた方いたら教えて下さい。)

7 今回のまとめ

今回は暁翔キャピタルの評判についてまとめてみました。

暁翔キャピタルですが、個人で投資しようと考えた場合、最低でも数億円の資金が必要になる可能性が高いみたいです。

正直、これだけハードルが高いと、個人投資家にとっては手が届きにくいですよね。

それにしても、こういう高いハードルを設けたファンドを見るたびに、どうやって資金を集めているんだろうと考えてしまいます。

やっぱりメインターゲットは機関投資家とか、超富裕層なんでしょうね。

それでも、正直なところ、そういった人たちもインデックス投資みたいな「手数料が安くて安定している」選択肢を選ぶほうが理にかなっている気がします。

だって、投資の名著『敗者のゲーム』にも書かれているように、プロの投資家ですら市場に勝つのは本当に難しいのが現実なんですよね。

100年前、株取引の90%は一般の人たちによるものだった。

こうした状況では、プロの投資家は早く情報を入手できるので有利と考えられ、インデックス投資よりよい結果を残すこともできた。

しかし時がたつにつれて、ほとんどの人が投資信託や株価指数連動型上場投信に投資するようになり、現在で90%以上の取引が、プロの機関投資家によって行われるようになった。

そうなると、どんなに敏腕のプロも市場に勝っことはとても難しい

(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)

なので、正直なところ、特別な理由や強い思い入れがない限り、ヘッジファンドに投資する必要はないんじゃないかな、と個人的には思います。

投太郎
投太郎

…とは言いつつ、実は僕自身はBMキャピタルというヘッジファンドに投資しているんですけどね笑

なんでかというと、これまでいろいろなヘッジファンドを調べてきた中で、BMキャピタルの投資手法は理論的にも納得できる部分が多いと感じたからです。

それは、株式投資の王道とも言える「バリュー投資」を、とにかく愚直に追求している姿勢にあります。

さらに、運営陣の経験や考え方、過去の運用実績を見ても「これなら納得できる」と思えたんですよね。

特にすごいなと思ったのが、市場が大荒れしているときでもしっかりプラスを出している点です。

こういう局面で結果を残せるのは本当に魅力的です。

まあ、インデックス投資で十分だと思ってもいますし、BMキャピタルを選んだのも、たまたま見つけただけですし、誰にでもオススメするわけじゃないです。

ただ、もしBMキャピタルに興味がある人がいたら、詳しくまとめた記事もあるので、良ければそっちもチェックしてみてください。

【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみた