ヘッジファンドの手数料は2%と高い?!実際の計算式を通して解説します


こんにちは、投太郎です。

今回は、ヘッジファンドでの運用にかかる手数料について紹介させていただきます。

実情については、あまり知られていないですが、ヘッジファンドの手数料は非常に高いイメージがありますよね。

実際のところ、高い手数料がかかることは確かです。

投太郎
投太郎

しかし、それに見合うだけの魅力があることも事実ではあります。

ここでは、ヘッジファンド購入にかかる手数料を詳しく見ていきましょう。

ヘッジファンドにかかる大きく分けて、管理手数料、成功報酬、購入手数料、解約手数料の4つです。

まず最初に手数料の種類をまとめておきます。

ヘッジファンドでかかる手数料

一つずつ見ていきましょう。

①管理手数料

この手数料は、一般の投資信託などに比べるとやや高いようです。

なぜ一般の金融商品よりも高めに管理手数料が設定されているのでしょうか。

一つには、ヘッジファンドはその運営上、高度な人材や、高度なITシステムなどを必要とするために、運用を維持するための経費が高いということがあげられます。

ヘッジファンドは、プロ中のプロである運用者が携わっています。

こうした運用者は、専門的で高度な技術を持っていることが多いのですが、こうした優秀な人材を獲得するためには、より高額な報酬を用意する必要があります。

また、ヘッジファンドではデリバティブ(金融派生商品)などを用いて運用することが多くありますが、こうした複雑で高度な投資手法を支えるためには、高度なIT技術を持ったミドルオフィス・バックオフィスを必要とします。

高度な運用を支えるための経費も必要とされるため、ヘッジファンド運用には高めの管理手数料が必要となってきます。

②成功報酬

これは、伝統的なヘッジファンドの報酬体系であり、現在はより柔軟な報酬体系となっていると言われています。

獲得した収益全てではなく、一般的には、目標とする収益率よりも上回った分についてかけられることが多いようで、この点も、ヘッジファンドごとに複雑に設定されています。

投太郎
投太郎

こうした成功報酬は、ヘッジファンド運用者にとっても、高額な報酬を手にするチャンスとなるために魅力的なシステムとなっているのですが、一方で、投資家にとっても必要な経費であると考えられています。

そもそも、ヘッジファンドはその他の金融商品に比べて、投資内容の報告義務が緩和されていることが多くあります。

このことが、運用手法の自由度や多様性を生み、また、模倣される危険性が少なくなることから、長い期間、安定的に超過収益を維持できる可能性が生まれます。

しかし、逆を言えば、投資家からするとヘッジファンドを管理することが難しくなるというデメリットも生まれてしまいます。

投資家からすると、ヘッジファンド運用者が本当に顧客のために真摯に働いているかが確認しにくいのです。

しかし、成功報酬制度があれば、投資家とヘッジファンド運用者の利益の方向性が一致することになります。

つまり、ファンドの収益を多く獲得すれば、投資家もヘッジファンド運用者も双方に利益がある状況になります。

このため、投資家が運用の中身を完全には把握できない状況でも、安心して資金を預けることができる仕組みができるのです。

ちなみ、ヘッジファンドには、こうした成功報酬以外にも、情報の非対称性を緩和する仕組みが取り入れられています。

その一つが、ヘッジファンド運用者自身の資金の多くを、ヘッジファンドに投資しなければならないというルールです。

ヘッジファンド運用者自身の資金の多くを、ヘッジファンドに投資していれば、ヘッジファンド運用者は自身のお金も運用することになるために、非常に慎重に運用することが考えられます。

このため、外部の投資家としては、運用者が真剣にリスク管理を行い運用する可能性が高いとして、安心して資金を預けることができるのです。

ハイウォーターマーク方式

ヘッジファンドには、運用者と投資家の利益の方向性が一致するような工夫が多くあることをお伝えしました。

成功報酬の方法にも工夫がなされています。

それがハイウォーターマーク方式です。

ハイウォーターマークは、成功報酬を算出するときの収益という概念を、過去の基準価格を上回ったときだけに限定するという考え方です。

1年などの会計年度だけではなく、長期に渡り、顧客の利益を創出した場合にのみ成功報酬を獲得できる制度とも言えます。

ハイクォーターマーク方式って?

 

 

結果として、顧客である投資家の資産が増えた場合にのみ、成功報酬が獲得することができるようになるために、ヘッジファンド運用者は1年間の収益のみに固執することなく、長期的にファンドの収益を獲得していこうとするインセンティブを持つことになります。

こうした仕組みがあるために、投資家は安心してヘッジファンドに資金を預けることができるようになるのです。

③購入手数料

この手数料は、ファンドの販売やマーケティング活動、投資家へのサービス提供にかかるコストをカバーするために設定されています。

ただし、ヘッジファンドを購入するに当たって、直接ファンドとやり取りするわけではなく、仲介会社などを挟んだ場合には、仲介会社にも手数料を払うこととなり、結果として購入手数料を倍支払うこともあるようですので、気をつけてくださいね。

④解約手数料

一般に、ヘッジファンドは解約手数料をかけないことが多いと言われています。

ただし、ロックアップ期間を無視した早期解約などの場合には、手数料を徴収されることもあるようです。

ロックアップ期間とは?

 

これをロックアップ期間といいます。

 

ロックアップ期間が存在する理由として、ヘッジファンドは、長期間にわたる投資や複雑な取引を行うため、短期間での資金の出し入れがあると、投資戦略が狂ってしまう可能性が高いことが挙げられます。

 

ロックアップ期間の長さは、ヘッジファンドごとに異なり、数週間から数年にわたるものまでさまざまですが、一般的なヘッジファンドのロックアップ期間は、1年以上であることがほとんどです。

 

可能な限り、長期での投資を期待したいために、こうした解約手数料がかけられていることが多いようです。

2 実際いくらのリターンが残るのか?

ヘッジファンドのコスト構造は理解できたのではないでしょうか。

それでは、実際に計算をしていくらぐらいのリターンを獲得することができるのか確認してみましょう。

実際いくらのリターンが残るの?

ここでは、1億円の投資をして2%の管理手数料、20%の成功報酬がかかるものとして計算してみます。

 

販売手数料や解約手数料はかかららず、超過収益のすべてに成功報酬がかかるものと仮定します。

 

例えば、一般的なヘッジファンドが超過収益の目標とすることが多い10%を例にして考えてみましょう。

 

まず、管理手数料は1億円の2%である年間200万円かかることになります。

 

また、超過収益は1000万円となるために、成功報酬は超過収益の20%となる200万円となります。

 

つまり、手数料の合計は400万円となる計算になります。

 

一方で、投資家が獲得することができる利益はいくらぐらいになるでしょうか。

 

これは、超過収益である1000万円からコスト400万円を差し引いた600万円となります。

 

結果として、1億円を投資して600万円の収益となり、投資家にとっての投資収益率は6%となります。

この結果は、他の投資商品と比べて、決して低い数字とは言えないと思います。

こうした、比較的高い収益を目標としている点も、ヘッジファンド投資の魅力の一つと言えるかもしれません。

3 手数料は高いがヘッジファンド投資がおすすめ

ヘッジファンドの手数料は、一般的な金融商品に比べて高いことが多いです。

それでも、ポートフォリオの一部に分散投資することをお勧めするのは、ヘッジファンドへ投資するメリットが投資コストを上回るだけでなく、その他の投資方法では代替しにくいからです。

いくらヘッジファンド投資にメリットが大きいとしても、他に安価な代替手段があれば、そちらを優先することをお勧めできるかもしれません。

投太郎
投太郎

でもそんな商品なかなかないんですよねー。。。

ここでは、ヘッジファンドがおすすめであることを3つの観点から説明していきます。

ヘッジファンド投資がおすすめである3つの理由

①絶対収益型であること

②分散効果があること

③プロ中のプロの考え方を垣間見えること

一つずつ詳しく説明していきますね!

その1 絶対収益型であること

ヘッジファンドは、株式、債券、商品、外国為替市場、デリバティブ(金融派生商品)など、幅広い資産に投資をすることで、市場の変動に関係なく収益を生み出すことを目指しています。

投太郎
投太郎

要するに、あなたのお金を一番効率のいい投資方法で増やしますよってことですね!

どういうことかというと、投資信託と比較してみるとそれがわかりやすいと思います。

例えば、有名な「eMAXIS S&P500インデックス」という投資信託は、米国の時価総額が大きい主要500社に特化して投資を行います。

これにより、市場全体が低迷する際、特定の企業や業種へのシフトが難しく、価格下落の影響を受けやすくなります。

景気が良く、株の価格が上り調子であれば、問題ありませんが、リーマンショックやコロナショックのように、景気が後退するような時には、価格の下落の煽りを受けずにはいられません。

(引用:SBI証券HP/eMAXIS S&P500インデックスのチャート)※赤丸がコロナショックの時の下落です。

仮に、事前にリーマンショックやコロナショックといった金融危機が来ることが分かっていたとしも、投資信託という商品の性質上、ファンドマネージャーは米国主要500社以外に資金を投じる術がないのです。

金融危機が来ると事前にわかっていたとしたら、金融商品を空売りしたり、ゴールドなどの安全資産へ移行するなど、収益を生む方法がいくらでもあるにもかかわらず、損失を甘受するしかないのです。

もちろん、上記の図のように、長期投資を実践していれば、いつかは下落分を回復できる可能性は高いといえますが、相場に依存した受動的な投資法は、投資家にストレスがたまり、冷静な判断ができなくなり、底値で売却してしまうこともままありえます。

これに対して、ヘッジファンドは市場環境に応じて柔軟な運用が可能です。

ヘッジファンドは金融危機にも対応しやすく、市場の変動に左右されずに利益を追求することができます。

 

どんな状況であっても、損を甘受することは一切なく、市場に依存せず常に利益を追求する絶対利益追求型であるのがヘッジファンドということです。

その2 分散効果があること

資産運用の世界では、「分散投資」が基本中の基本です。

分散投資とは、全ての投資を一つの商品や一回の取引に集中させず、様々な投資先に分ける方法を指します。

ただ複数の投資先を持つだけでは不十分で、それぞれの値動きが異なる種類の投資商品を選ぶことが肝要です。

例えば、株式投資では一つの企業だけではなく、異なる業種の複数の企業に投資することが分散投資に当たります。

これにより、一つの業界に問題が発生しても、他の業界の株がリスクをカバーすることができます。

株式だけでなく現金や国債などにも投資するといったように、異なる特性を持つ資産に投資することも重要となってきます。

この分散投資の重要性を説明する際に、「卵を一つのかごに入れるな」という比喩がしばしば使われます。

(引用:大同生命HP「分散投資」より)

これは、全ての投資を一箇所に集中させるリスクを避けるために、資産を複数の投資先に分散させることの重要性を示しています。

経済危機の際に、株式だけを保有していると大損することがありますが、債券やゴールドなど他の資産クラスにも分散していれば、そのリスクを軽減できるのです。

そのため、ある程度高い手数料を払ってもヘッジファンドにポートフォリオの一部を投資することは合理的であると考えられています。

その3 プロ中のプロの考え方を垣間見えること

資本主義社会では、優れた才能を持つ人々が資金が集中する場所へと集まる傾向があります。

そして、資金が豊富な場所では、さらに才能のある人材が引き寄せられるというサイクルが生まれます。

資産運用の世界においても、この傾向は顕著に見られるということです。

ヘッジファンドマネージャーたちは、さらにその中で、激しい競争を生き抜くことが求められます。

なぜなら、この業界では、成果が出せない者は顧客に満足してもらえず、資金が離れファンドの運用ができなくなるため、すぐに淘汰されてしまいまうのです。

そのため、長期にわたり業界で活躍しているヘッジファンドのファンドマネージャーたちは、金融の支配者と言っても差し支えないでしょう。

(引用:THRIVE Movement「スライヴ」)

ヘッジファンドへ投資をすると、運用に関する報告書などを受け取ることになり、そんな天才たちの考えの一端をすることができるのです。

4 今回のまとめ

今回は、ヘッジファンドの手数料について説明させていただきました。

確かに、一般のイメージの通り高い手数料がかかることがわかりました。

しかし、こうした高い手数料は、高度な運用を維持するための経費としての役割があります。

また、ヘッジファンドの特徴の一つである成功報酬は、ヘッジファンド運用者と投資家の利益の方向性が一致するための工夫という側面もあります。

また、ヘッジファンドは、他に代替することが難しい、望ましい特性をいくつか持っています。

こうした望ましい特性は、高い手数料を払ってでも投資をする価値があると考えられています。

このため、ポートフォリオの一部にヘッジファンドを組み入れることは、依然として有効な手段であると考えられています。

国内にも数多くのヘッジファンドが存在し、魅力的で投資のハードルも高くないヘッジファンドも存在していますので興味がある方はぜひチェックしてみてください!

ネット上でここまで詳しく書いているサイトはほとんどないはずです。

投太郎
投太郎

「よくぞここまで調べた!」と唸ること、間違いなし!のはず(笑)

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